2020年08月24日

ミシンで縫う襦袢作り方 準備編3 襦袢の寸法と型紙の準備

洋裁型紙&ミシンを使って洋服地でお襦袢縫うシリーズです。
縫い方目次はこちらから


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さて洋裁で縫う着物なので、道具や生地の他に型紙が必要になりますよ。

洋裁ってプラモデルみたいなものでパーツが用意できたらあとはガシャーン!って組み立てれば(雑)
出来上がるんだけど、布からパーツを切り出すために必要なのが型紙でしてね…
今回は家に既に型紙があったんで(遠い昔に自作してた)すぐ縫い始められたんだけど、
型紙の調達は結構な山場かも。着物はあれど襦袢の市販型紙って…なくないです…?

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着物着始めのころ襦袢って要するに着物の短い版でいけるんでは?ってなって着古した浴衣や
自作着物の裾をぶった切って襦袢としていたこともあったけど、やっぱりちょっと着づらい(苦笑)
襦袢は半衿を見せるために着物よりも深く前を合わせるから、胸元の寸法が少し違うんだなー。

とはいえ着物と共通する部分も多いので、既存の着物の型紙をお持ちの方はそれを元にすれば多少楽に作れるかも。
なければいちから書くしかありませぬが…私自身、書き方うろ覚え(しろめ)

イチから型紙を作るよ!という場合は型紙書くのに使う寸法を割り出さねばならないのですが、
お襦袢の寸法は基本上に着る着物に合わせて作るので、まずは着物のサイズを把握しましょう。
特に袖幅や袖丈とか合わせておかないと、着た時に襦袢が変にチラ見えしたりするのでね…
合わせたい着物が既にあるならその着物の寸法をチェック。これが着物ライフ最初の一枚だぜ!!
という場合は着物サイズの割り出しから始めましょ。


自分の着物マイサイズの探り方は、ミシンと簡単和裁で縫うっ!リネンの着物シリーズでどうぞ。
この辺りのエントリーかな。
準備編3 パーツの名前とサイズの基礎
準備編4―1 寸法(マイサイズ)を調べる
準備編4―2 着物の寸法(パーツごとに)1
準備編4―3 着物の寸法(パーツごとに)2


着物のサイズが分かったら、それをもとにお襦袢で使う寸法の割り出し。

身丈→身長×0.83に合わせる
後幅→着物の後ろ幅と同寸〜+1cm
前幅→着物の寸法に +2cm~+4cm
肩幅→着物と同寸
袖幅→着物の袖幅よりも -0.5〜-1cm
袖丈→着物の袖丈そのままor -1cm
袖付け→着物の袖付けよりも -0.5〜-1cm
衿肩開き→着物の肩開きから-0.5cm
繰り越し→着物と同寸
衿幅→着物の衿幅(A)肩回り、(B)剣先、(C)衿先それぞれから-5mm
下衿幅→襦袢衿寸法の衿先の幅(C)

襦袢は着物のようにおはしょり作らないので、襦袢丈は自分の身長から算出します。自分の身長×0.83で
ちょうど着た時足首丈くらいになる…ハズ。一応計算式はあるけれどあくまで標準寸法かと思うので、
いつも着物の裾は短く決めてるなど事情があれば、着たときに着物からはみ出ない寸法に調節しましょ。

後幅&前幅はヒップサイズ依存、肩幅&袖幅は裄依存。自分のサイズを要確認!
袖丈は最近の着物は大体49cm固定(本来は身長や年代で調整するので、古い着物は袖丈いろいろ)
なので標準寸法に合わせるなら49〜48cm、袖付けも調整してない限り着物の標準寸法23cmなんで、22.5〜22cmかな。

衿肩開きと繰り越しにも標準寸法があり着物では衿肩開き8.5cm、繰り越し2〜3cm。
でもここは衣紋の抜け具合に関わる寸法なので、標準寸法にせずお好みで調整してる人もいるかも。
衿幅は標準寸法7.5cm〜6.5cm〜5.5cmだから、7,6,5cmで良いかなと。
基本的に着物から少し控える寸法になるパーツが多いけど、前幅だけは前で着物より広めの寸法になってるね。


以前にミシン襦袢作った時のエントリー↓から。一応これ読んで型紙書けなくもない…けど
何だか自分でも分かりづらいので次回型紙の書き方再度まとめてみます。

ミシンで洋裁長襦袢 寸法計算 http://www.tikutikukimono.com/article/199383425.html
ミシンで洋裁長襦袢 型紙作り方編 http://www.tikutikukimono.com/article/199383424.html


うーん、過去記事と和裁本読み返して勉強しなおさなくては(汗)



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型紙つくるためのハトロン紙?は手芸屋さんで買えるけど、着物・襦袢の型紙を書くなら
方眼入りが!絶対に!お勧め!!長い直線や直角が取りやすいよ。


こちらを読み返します。マイ教科書。




posted by こ藤 at 19:00| Comment(0) | 洋裁ミシンで縫うきもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月20日

ミシンで縫う襦袢作り方 準備編2 生地の準備

洋裁型紙&ミシンを使って洋服地でお襦袢縫うシリーズです。
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さて道具と下知識を仕込みまして、一番大事なものこちら。
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生地です。

着物や襦袢用の反物なら当然それ用に織られているため、着物に向くかどうか?といった心配は
無用なのだけど、洋服地で仕立てるとなると果たしてこの生地が着物/襦袢に向くのかどうなのか??
わからない時もありますね。着物の形をしていれば着物(名言風)なのでどんな生地でも縫えなくはない……
んだけど、着物にして着心地が良い生地とか、縫いやすい生地、ってのはやっぱりあるかなーと。

今回は綿ローンと、麻の平織り(ちぢみ加工)で縫いましたよ。どちらもブラウスにするような薄手の生地感。
基本的にはそこそこ薄手で織りが密め、伸縮性は少なく、ややハリのある生地が縫いやすいし風合いも良い感じ。
今回は着物の下に着るお襦袢なので、着物よりも一段階薄手でしなやかさのある生地のほうが向くかなと。
着物だと着ジワが入りやすいジャージーのようなテロテロ、ガーゼのようなフワフワ生地も
お襦袢なら着心地良いかもしれない……お裁縫上級者さんでしたらチャレンジしてみられたら…!?


洋服地で着物を縫うときの生地のチョイスについては、以下のエントリーもどうぞっ
ミシンと簡単和裁で縫うリネン着物 準備編2 生地を用意しよう
洋服地で着物を作る時の生地選び その1その2


生地はどれくらい必要か?についてはサイズにもよりそうだけど、110cm幅で4m〜5m前後かと。
型紙の寸法を確認し、水通しで縮む分を見越して必要な長さよりも余裕をもって買おう。

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これは着物の場合の裁ち図例。これは和裁で縫う用の裁ちかただけど、洋裁の時も型紙の配置はほぼ同じ。
お襦袢は身頃が短くなるので、必要な生地の用尺も少し短めになります。

生地の見積もり方とかはこちらにも詳しい。
ミシンと簡単和裁で縫うリネン着物 準備編5 洋服地での裁ち方いろいろ


今回は水通しと地直しが済んだストック生地だったのでいきなり縫い始められたけど、
買ってきた生地であればまずは水通しをして、生地目を直しておきませう。
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これは伊勢木綿の反物を自力で水通しの回。

着るたびに専門店でクリーニングするわ!というセレブの方はともかく、普段着は家で洗いたいですからね…
ポリエステルなどそもそも縮まない生地を除いて木綿や麻を使う場合はあらかじめ生地を水通ししておくことで、
自宅で洗濯しても縮んだり型崩れすることを防げますぞ。


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和裁併用で着物を縫ったりするときは広幅の服地を反物幅に裁断してから水通しするのもあり(作業スペース的に楽)
ですが今回のお襦袢は左右の後ろ身頃を繋げて裁断したいため、広幅の服地そのままで水通ししてます。
基本的には生地を水に漬ける→半日くらい放置→干す→(できれば生乾き状態で)生地目を整えつつアイロン、な流れ。

私は大体こんな感じでやってます。
ミシンと簡単和裁で縫うリネン着物 準備編6 生地の水通し・裁断
伊勢木綿反物を自宅で水通ししたよ



次回は型紙についてまとめたいと思いまっす!





ローン生地で有名なのはリバティローン!とっても織りが密で、かつしなやか。
私が使ったのはリバティのものではなかったけれど、糸が細くて織りが密な生地は着物や襦袢に向きそう。




たらい!!って感じのたらいは持ってなくてうちのはこれ。
掃除とか、ちょっと手洗い洗濯するときとかにも活躍してます。
下の子出産前後に買ったけど8年くらい?全然くたびれてないなー

posted by こ藤 at 19:00| Comment(3) | 洋裁ミシンで縫うきもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月16日

ミシンで縫う襦袢作り方 準備編1 用意するものと基礎知識

洋裁型紙&ミシンを使って洋服地でお襦袢縫うシリーズです。
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初回の今回は準備編として、ミシン着物の基礎知識や用意するものなどを。
過去記事にも似たような内容はいくつかあるんだけど、ちくちくはじめてさん(居るのか)のため
再度ざっくりまとめようかと。もう知ってるや、という方はざざっと飛ばし読みしていただき、
もっと詳しく!という方はリンク貼っていくので過去エントリーも読んでください〜

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で、まずはなぜ襦袢(着物)をミシンで縫うのか?なんですけれど。
むしろ着物ってミシンで縫っていいのかね??みたいな人もいるかも。

着物を縫う…とまず浮かぶのが「和裁」かな、と。いわゆるザ・反物から着物を仕立てる技術ですね。
もちろん和裁ってすごい!和裁士さんが縫ってくれた着物、めっちゃ着心地いいものね。
和裁には学校で習うお裁縫=洋裁とは違った技術や、価値観が満載で奥が深いんですがとっつきにくい面も。
私も着物を着始めた時、和裁の本を図書館で借りてきたもののまるで外国語の本だった思い出が(苦笑)

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結局和裁もちょっとかじるようになったのでありますが。沼…
洋裁着物と和裁着物の違いについてはこちらのエントリーも↓
洋裁はプラモデル、和裁はパズル


そりゃ和裁で着物が縫えたらかっこいいけど、いきなり和裁を理解するのは難しい。
なので家庭科の経験が生かせる洋裁でまず縫ってみよー!ってのがミシン襦袢(着物)なんですわ。
加えて着物はほぼ直線パーツばかり&サイズ感が結構アバウトなので普通の洋服よりも縫うの簡単というね…
(ミシンで着物は縫えるけどシャツとかは縫える気がしないワタクシめ)
自分で作って自分で着るものだから、ちょっと(いや、かなり?)縫い目がふにゃでもOKとしよう!

というわけで用意する道具はこちら。
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・ミシン
・基本のお裁縫セット(針、まちばり、糸、しつけ糸、はさみ、チャコペン等)
・型紙
・作業スペース(MAXで2畳分くらい使う)
・アイロン

ワタクシめの全裁縫装備はこちらでご紹介。和裁向け道具も混ざってる。
ミシンと簡単和裁で縫うリネン着物 準備編1 必要な道具

案外、一番のネックが作業スペースの確保だったりするんですけど(爆)大体家にあるもので何とかなるかな?
型紙は、あとで書き方もまとめたいと思いますがいちから書くの結構大変なんで、私みたいに既製品が合わない
長身さんなど特殊サイズな場合や、何枚も大量生産するつもり以外ならさっくりと既製の型紙を使うのもアリかと。
たまに手芸屋さんあたりで浴衣の型紙売ってるので、それ使えばいいんじゃないかしら?
襦袢の場合は着物と少しサイズが変わるので手を加えねばならなさそうだけど…

あと技術的にはミシンでジグザグミシンが出来て直線が縫え、カーブも少々いければOKかと。
着物の構造やパーツの名前もざっくり押さえておきたいところ(予習するならこちらから


長くなっちゃったので生地については次回にしまっす!




洋服地&ミシンで着物縫う教科書にはうってつけ的な。
着物着始めのころ図書館で読んだんだけど今もあって10年以上のロングセラーなんだね。
型紙ついてるので洋服Mサイズ相当の方ならこれでいけそう。



こういう浴衣の型紙を流用すれば着物や襦袢も縫えるのではないかなと。
最近浴衣ドレスとか流行りなので浴衣と見せかけて二部式だったりする型紙もあるので
手芸売り場で型紙を探すときはご注意あれ〜

posted by こ藤 at 10:52| Comment(0) | 洋裁ミシンで縫うきもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月15日

<ブログ内記事まとめ>洋裁型紙&ミシンで縫う 洋服地長襦袢の作り方目次

お久しぶりでございます、皆様いかがお過ごしですか?
〜私は生きています〜

さて長いコロ休み(??)の間に作った縫い物をメモっていきたいと思います。

今回作りましたのはこちらっ
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お襦袢でございますね。
洋服地から型紙を使って縫いました。手縫い?しませんよ!?というわけでミシンオンリーで数日で完成。
ミシンだけで着物を縫うと(もちろんながら)外からステッチが見えちゃう仕上がりになるのだけど、
お襦袢ならステッチが入ってても着物の下に着ちゃうので(ほぼ)見えない!
あと縫製がふにゃでも着物の下に着ちゃうので(ほぼ)見えない!
そして縫えるまでがめっちゃ早い(すごく大事)

…というわけで、ミシンで着物系縫ってみるならまずは襦袢がお勧めでは?と思っているのでありますよ…
もちろん応用すると着物も縫えるしね。洋服地でステッチ見えてるミシン着物もいいじゃない。


過去には着物やら羽織やら子供着物も縫ってみてるので興味がある方は過去記事をさかのぼってどうぞ。
「洋裁ミシンで縫う着物」カテゴリか、以下のまとめ記事でご覧あれ。
<ブログ内記事まとめ>ミシンで縫う!洋裁着物の作り方〜型紙と着物
<ブログ内記事まとめ>ミシンで縫う!洋裁着物の作り方〜羽織と襦袢
<ブログ内記事まとめ>ミシンで縫う!子供着物の作り方 一つ身&四つ身
洋裁襦袢の作り方は前も書いているのだけど、すごく前のエントリーだけに内容が雑な部分もあるので、
今回は丁寧にまとめていきたい気持ち…


では次回から順番に作り方を上げていこうと思います。
こんな感じで更新するつもり(記事アップしたらリンク貼りたい)↓

☆。.:*:・'゜★。☆洋裁型紙&ミシンで縫う 洋服地襦袢の作り方 目次☆。.:*:・★・'゜☆

【準備編1 用意するものと基礎知識】(8/16)
【準備編2 生地の準備】(8/20)
【準備編3 襦袢の寸法と型紙の準備】(8/24)
【準備編4-1 型紙の書き方〜袖・後身頃】(1/3)
【準備編4-2 型紙の書き方〜前身頃・衿】(1/6)
【準備編5 生地の裁断】(1/10)
【ちくちく編2 生地端処理と袖】
【ちくちく編3 背縫い・衿下・おくみ】
【ちくちく編4 衿付け】
【ちくちく編5 裾まわり・袖付け】

☆。.:*:・'゜★。☆。.:*:・'゜★。☆。.:*:・'゜☆。.:*:・★・'゜☆

※リンクは別窓で開きます

過去の縫い方シリーズより、こちらも役立ちそうなのでリンク貼っときますね。
読んでおくと理解が深まる…かもしれない。

ミシン着物ってどんなもの?何を準備するの?な回
ミシンで縫う子供の着物 準備編1 予備知識&必要なもの

洋服地&ミシンで着物を縫うなら、どんな生地を用意すればよいの?な回
洋服地で着物を作る時の生地選び その1その2


実際の作業時間としては生地の裁断〜本体の縫製が2〜3時間×4日くらい。
同時作業で2枚縫ったので、一枚だけならもう少し早く縫えたかも…
今回は型紙と生地は既に家にストックしてあったものを使ったので、いちから作る場合は
生地の水通し〜生地目整理、型紙づくりの時間が1日分くらいプラスされそう。
それでもちまちまやって4〜5日、ガッツリやれば1〜2日で出来るかも!?な感じですな。早い!


さて毎度これは需要あるのか…無いのか…??と思いつつ書いてってますが、
いつか何処かの誰かのお役に立つことを信じて…(壮大)


「ちくちくきもの」の無駄に多い(何)エントリーの中から、お役立ちかな?と思われるシリーズ(主に縫い方・作り方系)
をブログ内リンク集としてカテゴリにまとめてます。着物・帯の縫い方、型紙の作り方、帯の結び方や着付けの小技など…
興味のある方はどうぞ!
http://www.tikutikukimono.com/category/27205149-1.html
posted by こ藤 at 16:54| Comment(0) | <ブログ内記事まとめ> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする