
さて部屋の隅にプラプラ釣り下がっている簡易着物練習セット(前述)を気が向くと手に取っては
着付けの練習をしてくれる娘ちゃん11歳。何度か着てみて手順を一通り覚えた娘ちゃんが言うには
「何だかモゴモゴして、きれいに着られない…」
そう、そうなんですよ!「きれいに」着られないんですよねー!!
私も着付け教室で習った時、先生に言われたとおりにやって確かに着られているのに、
何で先生の着姿みたいにならないんだろうな…???って思ってましたわ(笑)
で、わたくし思うに着物の着付けって複数の目的を持つ作業の合わせ技じゃないかなと
1.着物を体に巻き付けて固定する=着るための基本技(これしないと脱げる)
2.着姿を綺麗にしたり、着崩れしないように仕上げる技
2−A.仕上がりを良くするために大体みんなやってる基本技
2−B.着物のサイズの違い調整や素材のさばき方など着る着物によって加える技
2−C.自分の体形の特徴などに合わせて加える技(補正なんかもこのあたり?)
↑こんな感じでせうか…
で、基本的に最初に習う着付けの工程って、1と2ーAあたりまでがしれっと混在してる訳なのです。
例えば着物を羽織った後に結ぶ腰紐、紐を結ばないともちろん着物が脱げちゃうのでこれは必須(1)
なんだけど、衣紋を抜いたり裾をつぼまりに決める、みたいなのは2−A。
実はやらなくても着物は着られちゃうんですな。そう、忘れてても着られちゃう。ふふふ…
着つけにおいてやっとかないと脱げる!!っていう1の工程は案外多くないので、みんな「着る」だけなら
すぐ出来るようになる…んだけど1が出来ていても2が上手くできなかったりうっかり忘れちゃったりするので、
習ったとおりに着てる(ハズ)なのに思ったとおりの着姿にならないんですなっ
でも最低限、1さえ出来れば着物は着られるんでありまするよ。
2に関しては2−Bや2−Cあたりは「着付けのコツ」的な感じで民間に伝承(?)されていたりしなかったり。
人から聞いた、自分で着てるうちに見つけた、本に書いてあった…そんな感じで様々な技が流布されてるし
着る着物や着る人の体形、手の癖、仕上げたい完成型の違いなどによってその人に合う合わないがあるから、
突き詰めていっても結局正解が見つからない級に奥が深い…ので、もう着ながら探していくしかないかと。
カフェで着方教室をしていた時、一生懸命「最初は巻き付いてればいいんです、何度も着て、
着こんでいくとそのうちうまくなるんで」ってお伝えするようにしてましたわん。
超絶すごい着付けの技を知っていて、その人を見るだけでバッチリ合う着付け法を伝授できる、
みたいなすごい先生に習うことが出来たら一発で理想の着付けを手に入れられるのかもしれないけれど、
私は基本のキは教えられるけど、その向こうは各々着ながら体得しておくんなせえ(何)方式だったものね(しろめ)
「着つけに正解って無いんで私が教える方法以外に良いやり方が見つかったらガンガン変えてくださいよ」
ってのもいつもお伝えしてましたな。それでも1〜2か月着ててもらうとあらキレイになってきましたね〜って
感じになってたよ…やってることは同じなんだけどね。
で、きれいに着られない…としょんぼりしてる娘ちゃんには
「それは娘ちゃんのの頭の中にきれいな着姿のイメージが入ってるってことで、それがイメージできてること自体が
すごいんやで、何度も着てるうちにイメージに近づけると思うでっ!」っと励ましてみました。

それにしてもきれいな着姿のイメージって誰の着姿なのかな〜おかあさん…なのか??
(見本になるのかならないのか謎)
究極いくと着付け小物に腰ひも一本あったら着物は着られる…!!とも言えなくはないんだけれど、
やっぱりきれい&快適に着るには3本くらい欲しいところ。
いつも使う腰紐はモスリン(夏だけ麻)なので絹の腰紐使ったことがないのだけど気になってる。。
使い心地はどんななのかなー